副業やフリーでWebライターをしている人が、クライアントと初めて直契約を結べるとうれしいですよね。
しかしそこで直面するのが、自分でしなければならない「請求書発行」という未知の世界。
- Webライターの請求書ってどうやって発行するの?
- 消費税ってクライアントに請求してもいいの?
- 振込手数料ってどうなるの?
といった疑問を持っているライターの人も多いのではないでしょうか。
実は、経理の知識がなくてもフリーソフトを使うことであっという間に請求書は作れるんです!
そこで今回は、OL時代に毎月得意先へ請求書を発行しまくっていた筆者がライターの請求書の作り方を徹底解説します。
実際のテンプレートも載せるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
Webライターが請求書を作るうえでの基本知識
「御中」と「様」の使い分けに注意
- 「御中」…社名や団体名、部署名につける敬称
- 「様」…個人名につける敬称
これが使い分けのルールです。
そして「御中」と「様」は両方併用はできません。(敬称が重複しているから)
なので「株式会社○○メディア御中 田中様」と書いてしまうのは間違い。
請求書の宛名には以下のように書くのが正解です。
「株式会社○○メディア御中」もしくは「株式会社○○メディア 田中様」
ライターは消費税をクライアントに請求してもいい
実は、ライターは消費税をクライアントに請求してもいいんです。
そして、売上が1,000万以下の場合は消費税の納税が免除されます。
消費税では、その課税期間に係る基準期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者は、納税の義務が免除されます
引用:国税庁
「基準期間」というのは、フリーランスや副業ライターの場合は原則として前々年の課税売上高のことを指します。
ただ、今年開業した個人事業者や副業を始めたばかりの人は基準期間(前々年)の課税売上高や基準期間がないので、原則として納税義務が免除されます。
そしてここが重要なポイントですが、消費税の納税が免除される場合でもクライアントに消費税を請求することは問題ではありません。
Webライターなら執筆するためのパソコンやマウス、ネットの通信費の支払いの際には消費税を支払っていますよね。
なので、クライアントに送る請求書にも同じように消費税を請求しないと、自分だけがその消費税分を負担することになるのです。
「クライアントに消費税を請求するのは気が引ける…」という人がいるかもしれませんが、遠慮せずに請求しましょう。
振込手数料をどちらが負担するかはクライアントに確認
振込手数料は、クライアントかあなたのどちらかが負担することになりますが、基本はクライアントが負担してくれることが多いです。
クライアントと業務委託契約書を交わしている場合は、振込手数料に関して記載があるかどうか確認してみてください。
契約書などに振込手数料のことが特に書かれていない場合は、クライアントに確認するのが一番てっとり早い方法です。
私も、初めて請求書を発行する際は「振込手数料は、どちらの負担でしょうか?」っていう感じでクライアントに質問しました。
その時は「振込手数料は、弊社で負担します。」とすぐに普通に返事を頂きました。
なので、「迷ったときはクライアントに確認」が一番確実です。
もし言いにくいときは、あえて何も触れずに提出して相手の判断に任せるか、「振込手数料は貴社にてご負担願います」という旨を請求書に書いておくとよいですね。
決済条件の基礎知識
クライアントへ提出する請求書を発行するには「決済条件(支払い条件)」の基礎知識が必要です。
決済条件は納品した記事の報酬に関する重要事項なので、まずはここをしっかり理解しておくと請求書を発行する際にスムーズです。
とはいえ、特にややこしい話ではないので安心してください!
決済条件(支払い条件)とはライターが納品した記事に対する報酬の支払いについて、クライアントが設定する決まりのことです。
会社勤務をしたことがある場合は「締め日・支払い日」という言葉を聞いたことがある人もいるかと思いますが、それが決済条件のことです。
【決済条件とは】
クライアント側からすると:記事に対する報酬をどの期間で区切って(締め日)、いつまでに支払うか(支払日)という取り決め
ライター側からすると:納品した記事の報酬がどのタイミングで支払われるのかという重要事項
ここは具体的なケースに当てはめた方がしっくり来ると思うので、少し具体例で解説します。
【例】
- クライアントの決済条件:月末締め、翌月末支払い
- ライターは1/1~1/31の1ヶ月間に3記事を納品した
→この場合、クライアントは「ライターから1/1~1/31に納品された3記事分を、月末の1/31で締めて(区切って)翌月末の2/28にまとめて支払うね。」ということです。
(※ちなみに支払日の2/28が土日・祝日などの場合は入金日が前後どちらかの平日にずれ込みます。年末年始に絡む場合はもっとずれ込むことも。会社員の給料日が休日にあたる場合は前後にズレるのとおんなじですね。)
そしてライターは1月分の請求書を翌月2月の月初に発行し、クライアントに送るというのが一連の流れです。
日本の企業は「月末締め」が圧倒的に多いですが、クライアントによって締め日や支払日の設定はバラバラなので、必ず契約時に確認してくださいね。
もし契約時にクライアントから決済条件(支払い条件)の提示がなかった場合は、請求書を発行するまでに問い合わせておきましょう。
なお、決済条件はクライアント側が決めるので、原則としてライターが変えることはできません。
「早く入金してほしいから、決済条件を変えてほしい!」と思っても、決済条件は会社単位で決める重要なルールなので、簡単に個別対応ができないのです。
以上のように決済条件についての基礎知識を知ることが、初めてでもスムーズに請求書を発行するために重要となります。
Webライターの請求書の作り方(テンプレート)
請求書発行は、請求書作成ソフトを使うとかなり簡単です。
ちなみに、筆者はMisoca(みそか)
※このテンプレートでは、以下の例を仮定として作成しています。
- クライアントの決済条件:月末締めの翌月末支払い
- ライター:9月中に合計3記事を納品

- Webライターの場合、「品番・品目・品名」などは「原稿料」でOK
- 請求日(右上)=請求書の発行日
Misoca(みそか)
1年間無料で利用できるのでかなりおすすめです。
月末締めのクライアントが多いと思いますが、その場合は翌月の月初に請求書を発行します。
<注意したいこと>
この例では、請求書を発行する日は月初(10月1日)ですが、支払期限は取引が発生した月(9月)を基準とすること。
10月になってから請求書を発行したからといって、支払期限を11月30日としてしまうのは誤り。
必ず、納品した9月に対する支払期限(10月31日)を記載してください。
支払い期限の決まり(締め日や支払日)はクライアントによって取り決めが違うので、契約書やマニュアルなどでよく確認してくださいね。
Webライターの請求書作成は意外と簡単
請求書作成ソフトを使えば、Webライターの請求書作成は誰でも簡単にできます。
宛名や消費税、支払期限など請求に関する基本知識を抑えたら、ソフトを使ってらくらく請求書を発行してみてください!
初めて請求書をクライアントに発行・提出したあとは、支払い期限までにきちんと入金があったかどうか確認するのをお忘れなく!