近頃、HSPに向いている職業として「完全在宅でできるWebライター」が取り上げられることが増えてきました。
HSPとは、ざっくりいうと「生まれつき人より繊細・敏感な人」のこと。
しかし、
- HSPってどんな症状?病気なの?
- HSPって本当にWebライターに向いているの?
- HSPの人がWebライターになったら稼げる?
という疑問がある人も多いのではないでしょうか?
実は現役Webライターの私もHSPの傾向があります。
そこで今回はWebライター+HSPの私の視点から、
- HSPの原因や症状について
- Webライターは実際にHSPの人に向いている職業なのか
- HSPの人がWebライターをやって稼げるのか
などを徹底検証していきます!
3分ほどで読めますので、「自分もなんとなくHSPっぽいけど、Webライターが向いているのかどうか気になる…」という人はぜひ参考にしてみてくださいね。
HSPとは生まれながらに感受性が強く繊細で、敏感な人のこと
最近、本屋さんでも「繊細さん」「HSPの人へ」といったワードのHSP関連の書籍が目立つところに置いてあるのをよく見かけます。
HSPは徐々に世間への認識度が高まってきていますが、その単語だけが先行してしまい、勘違いされていることが多いのも事実。
HSPとは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略。
- 敏感すぎる人
- 非常に繊細な人
という意味で、1991年にアメリカのエレイン・アーロン博士によって名付けられました。
HSPの人は生まれながらにして感受性が強いがゆえに、
- 職場や家庭など生活の中で気疲れしやすく、生きづらいと感じてしまう
- 必要以上に空気を読みすぎたり、自分自身がまわりの人から浮いているような感覚になる
などのように感じる傾向があります。
実は世界中の5人に1人はHSP
HSPは人種や国に関わらず、世界中の全人類の15~20%の割合で存在。
つまり5人に1人はHSPということになります。
実はHSPの特性は人間だけに限りません。
HSPの気質は、「行動を起こす前に注意深くなる」といった”生物としての生き残り戦略”であることを示しています。
生物学者によってHSPの特性は100以上の種に存在することが発見されていて、その種類はハエから鳥・魚・犬・猫・馬そして霊長類にまで及んでいます。
とはいえ「非HSP」の人の割合は80%ほど。
20%の割合であるHSPは「少数派」に属する為、まだまだ世間には理解されにくく勘違いもされやすいのが現状です。
HSPの過敏さや繊細さは気質なので変えられない
HSPは人の性格ではなく、生まれ持った人の「気質」なので生涯変えられません。
- 性格…遺伝による影響や先天的な要素もあるが、環境や出会った人々との関わりなど、後天的な条件の影響で変わることもある
- 気質…その人が生まれ持った性質なので後天的に変えられない
このように、HSPの過敏さや繊細さは気質なので、後から環境や努力では変えられないのです。
しかしHSPは決して病気ではないので、病院で治療したり努力して改善しなけらばならない弱点でもありません。
実は、HSPの人と非HSPの人の違いは、脳の性質にあります。
HSPは恐怖を感じる脳の「扁桃体」の働きが強いので、ストレス(特に不安や緊張、恐怖)を感じやすい傾向があるのです。
そのため、過度に心配したり人に気を使ったりしやすくなります。
HSPの症状チェック
HSPは病院に行く必要もないので、自分がHSPなのかどうか判断がつきにくいところ。
でも、「こういう気質もあるんだ」と知ることで、今までなんとなく感じていた生きづらさの理由が分かり、少しほっとしたような気になります。
HSPかも?と思う人は、以下の傾向があるかどうかチェックしてみてください。
【五感で受ける刺激に対して過度に反応する】
HSPの人は光、音、におい、味覚、イメージなど五感で受ける刺激に対して過度に反応し、常に神経を使うので疲れやすくなります。
具体的には、以下のような症状が出ます。
- 人混みや大きな音に強いストレスを感じる
- 映画や音楽、本などの芸術作品に感動してよく涙を流す
- まわりから見れば些細なことでも、過剰にビクビクしたりすぐに驚いてしまう
- カフェインや添加物に敏感に反応する
- 人の些細な言葉に傷つき、いつまでも脳内に残る
- 人と過ごしたあとに帰宅して一人になった時、一気に疲労感がくる
【自尊心や自己肯定感が低い】
少数派であるHSPの人は自分の価値に懐疑的になり、自尊心や自己肯定感が低くなる傾向があります。
さらに、HSPの人は繊細で優しいので自己主張せず人に合わせようとして疲れてしまいます。
具体的には、以下のような傾向があります。
- 自分の意見を言うより、まず人に合わせてしまう
- 自分の価値を低く感じてしまう
- 人を責めたり、怒ったりするのが苦手
- 人に嫌なことを言われたり、理不尽なことをされてもある程度は我慢してしまう
- 自己主張が弱いので悪口や仲間外れの標的にされやすい
【対人緊張が強く、環境や他人の影響を受けやすい】
HSPの人は脳内で「共感能力」を司っているミラーニューロンという神経細胞の働きが活発なので、共感性が高いのが特徴です。
そのため、HSPの人はその場にいる相手の気持ちに同調して「自分のこと」のように感じてしまいます。
具体的には、下記のような症状があります。
- 人の相談に乗っているうちに、相手と同じように自分も辛くなって落ち込んでしまう
- 相手の気持ちを気にしすぎて自分の本心をうまく表現できない
- 恋愛において相手に強く影響されやすく依存しやすい
ちなみに私は、
- 人に合わせすぎる(空気を読みすぎる)
- 刺激に対して過剰に反応してしまう(ビビり&怖がり)
- 自己表現が苦手・自己主張が弱い
- 恋愛で依存しがち
などなどたくさん当てはまります。
HSPの人はWebライターが本当に向いているの?
では、本当にHSPにはWebライターが適職なのか?という件について私の経験を踏まえて検証していきます。
ライターは人間関係において圧倒的にストレスが少ないのは事実
実際、完全に在宅でできるWebライターは、人間関係に関するストレスが皆無に近いです。
会社に拘束されず先輩や上司もいなければ、基本的にはクライアントと会う必要もありません。
(ちなみにZoomやチャットワークでオンラインの打ち合わせはたまにあります。)
私はもともと会社員として1年半広告営業、そのあと6年間事務をしていましたが、やっぱり人間関係とか理不尽なこととかストレスはたくさんありました。
【私が会社員のときにストレスだったこと】
- 毎朝の満員電車(遅延したときの人口密度は地獄)
- 職場の飲み会や女子会に付き合いで行かなくてはならない
- パワハラ上司や仕事を押し付ける先輩がいても大人の対応しなきゃいけない
- 毎日お昼休みに女子グループで固まってランチするのがたまに苦痛(ひとりの時間がほしい…!)
「満員電車」「職場の飲み会」とかは、Webライターじゃなくても何かしらのフリーランスになれば避けられるものですね。
一方で「人間関係」でストレスを感じやすいHSPにとって、大きなメリットとなるのは「我慢して苦手な人に合わせる」ストレスがなくなること。
実際、私も会社辞めてWebライターになったらOLのときに感じていたストレスはまったくなくなりました。
【Webライターになってよかったこと】
- 毎朝満員電車に乗って見知らぬ人と密着しなくていい
- 取引したいクライアントややりたい仕事を自由に自分で選べる
- 努力した分だけクライアントに評価してもらえるのでスキルや自己肯定感が高くなり、自信がつく
- 職場の飲み会や女子会など、気が乗らない付き合いをしなくていい
- 苦手な上司や先輩に合わせてニコニコしなくてもいい
人間関係のストレスを人一倍感じてしまうHSPにとって、在宅でできるWebライターは確実に生きやすくなります。
Webライターが求められることはHSPが得意としていること
私がWebライターをやっていて思うのは、自分のHSP気質が「ライターに求められる文章」に活かしやすいということ。
クライアントに納品する記事については「クライアントが求めている文章」を書くのであって、基本的には自分の個性を出すものではありません。
なので、
- 文章にクセがなく、読みやすくて高圧的ではない
- 読者が知りたい情報を読者目線で書いてある
といった、分かりやすくてスラスラ読みやすい文章が求められます。
(体験談や、エンターテイメント性の高い記事はまた別ですが)
その点、HSPの繊細な気質は「求められている記事を書く」といった点では有利に働きやすいのです。
【HSPがWebライターで記事を書くときに生かしやすいこと】
- 他人(読者)の気持ちに共感しやすいので、読者の知りたいことが的確に書ける
- 自分の個性を主張せず、高圧的でなくやさしい文章が書ける
- クライアントが求めているトンマナに沿って書ける
※トンマナとは…トーン&マナーのこと。文章表現の一貫性や統一性を保つためのルール(秩序)。
以上のことから、Webライターとして「クライアントが求めている記事を読者目線で書く」といった面で、HSPの特徴は武器になるのです。
Webライターで稼いでいくには営業も必要
HSPの人は、「完全在宅でできる」という面では確かにWebライターはやりやすい職業です。
ただ、当たり前かもしれませんが自分で仕事を取りにいく必要があります。
Webライターを本業として仕事を取り続けるには自らどんどん営業をしなくてはなりません。
人間関係のストレスを感じやすいHSPでも、そこは避けては通れない道。
具体的には、クライアントに対して
- ○○のジャンルの記事が得意です!
- これまで○○の記事を書いてきて、○○の経験がお役に立てます!
といった自己PRをして自分の経験や実績を売り込む努力が不可欠です。
ただ、基本はネットで文面でのやりとりだけなので対面営業に比べればかなりハードルは低いです。
HSPはWebライターに向いてる。でも稼げるかどうかは別問題
HSPの人は生まれながらにしてほかの人よりも繊細さや敏感さをたくさん持っています。
しかし、相手の気持ちに共感しやすいHSPの気質は、Webライターとして「読者目線で記事を書く」という面で十分に活かせます。
ただ、一概にHSPの人全員がWebライターに向いてるとは思いません。
- 文章を書くことが好きではない(苦痛に感じてしまう)
- 色々とネットや本で自分でリサーチするのがめんどくさい
- 自分の個性を出して文章を書きたい
という人には向いていないかもしれません。
あくまでも、文章が好きで「Webライターをやってみたい!」「書くのが楽しい!」と思えるHSPの人は、きっと伸びると思います。
HSPの気質はWebライターの仕事に活かしやすいですが、そのあと「稼げるかどうか」「続くかどうか」はその人次第。